石立ドラマのクレジット順序


「クレジット・タイトル」とは、映画、ドラマの制作者、出演者の名前を、作品の最初や最後に表示することで、一般には「クレジット」などと、省略して言われます。

とても人間臭い話ですが、出演者がクレジットに表示される順序に注目する人が多く、よく議論の的になります。2chでも「スレ」が立ち、タレントさんの序列について熱いコメントが飛び交っていますね。

一般に、出演者のトップに表示されるのは、その映画、ドラマの「主役」を演じる出演者です。 そして、2番手、3番手と続き、最後は「トメ」とか「大トリ」と言われる、「物語の鍵を握る重要な役」の出演者が来ます。

でも実際は、制作者側は他の色々な要素を配慮して、その順序を決めなければならず、とても一筋縄ではいかないものである事は、想像に難くありません。

ユニオン映画制作の「石立ドラマ」もその例外ではありませんでした。

全7作品中、最初の2作品、「おひかえあそばせ」と「気になる嫁さん」では、石立さんはトップに表示されていないのですね。

「おひかえあそばせ」第1話、レギュラー出演者のクレジット順序は、以下の通りです。

猪太郎...大坂志郎
さくら....冨士真奈美
梅子....宮本信子
すみれ...嘉手納清美
菊枝....岡田可愛
あやめ...鳥居恵子
つぼみ...津山登志子
薫の父...十朱久雄
薫......石立鉄男

石立さんは「主役」ではなく「トメ」の位置なんですね。

この頃の石立さんは、大坂志郎さんと比べれば、まだ駆け出し。視聴者からすれば、どう見ても、石立さんがこのドラマの主演・主役なのですが、やはり、これはベテランの大坂志郎さんへの配慮から、石立さんを「トメ」の位置にしたと考えるべきでしょう。

おそらく、制作者側は、「このドラマは池西家と薫の話だから、まず池西家を年齢の順に猪太郎から表示して、最後に薫を持って来ましょう。あ、そうすると大坂さんも最初に来るし、丸く収まりますね」 みたいな理屈を考えていたのでしょうか。

ちなみに、このドラマ、第一話の最初のシーンで映される俳優は、大坂志郎さん(池西家アパートで、起床前の猪太郎のアップ)で、石立さんではありません。 これも制作者側の配慮だと思われます。

「気になる嫁さん」、第1話のクレジット順は、

めぐみ....榊原るみ
呂之助....佐野周二
輝正......山田吾一
小夜子....水野久美
文彦.....石立鉄男
力丸.....山本紀彦
純.......関口守
たま.....浦辺粂子
宏子......杉葉子

順当に、めぐみ役の榊原るみさんが主役位置に来ています。文彦役の石立さんは5番手です。視聴者から見れば、このドラマは「石立鉄男のドラマ」なんだから、石立さんが最初じゃないの?と思いますが、ここは、主役が最初という、クレジット順序の定石を行ったようです。

おそらく、制作者側は石立さんに、「鉄ちゃん、視聴率狙って、今回は『るみ』ちゃんを前面に持っていましょう。盛立て役の清水家メンバーは、家族順っていうことで行きましょう」 みたいな事を言っていたのかもしれませんね。

このドラマ、第1話の最初のシーンでは、めぐみと純が京王線、新宿駅のホームに駆け込みます。やはり、最初に映される役者は、石立さんではなく、クレジット主役位置のめぐみ、榊原るみさんでした。

当時を思い出すと、石立さんの人気・評価が定着し、「石立ドラマ」という呼称が確立していったのは、「気になる嫁さん」の次作品、「パパと呼ばないで」からだったと思います。同時に、これ以降のユニオン・石立作品のクレジットでは、出演者のトップには、全て石立さんが表示されることになります。制作者側も、名実ともに主演、主役を張れる鉄ちゃんを、何ら気兼ね無くトップに持って来れたわけですね。

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