気になる嫁さん ロケ地の楽しみ(21)

第32話。小夜子に辛く当たられためぐみを心配してか、文彦はめぐみが気晴らしができるように取り計らいます。映画館前で待ち合わせをする様子のめぐみ。そこへ、現れたのは文彦ではなく、安子。

めぐみ「あら、文彦さんは?」 安子「社長は来られないんだって。ともかく映画を見て食べたいもの食べろって。あのケチな社長が珍しく、ほら、1万円もくれたわ」


ふたりが会ったこの場所、一体どこでしょうか。極めて短いシーンなので、流して見てしまうと、よくわかりません。おそらく、新宿が渋谷の繁華街。そこで、いつもの如く映像を静止して隅々までチェック。

「新宿座」や「地球座」という映画館の名前が背景に写っていました。歌舞伎町の「新宿コマ劇場」前の広場ですね。けたたましく鳴り響いていたベルの音は、映画が始まる合図でしょう。

何気ない短いシーンですが、この映像からは70年代の空気感が伝わってきます。安子のパンタロン、めぐみのミニスカート、喧騒、あちらこちらの貼り紙。ドラマ映像からは、排気ガスやアスファルトの臭いさえも漂ってくる感じがします。そんな騒然とした、でも、エネルギーに満ちあふれていたあの頃が懐かしいです。

上のカットと同ポジションの写真です。


2020年11月15日、撮影。歌舞伎町1丁目19、シネシティ広場。

「新宿コマ劇場」も老舗劇場の1つでしたが、老朽化には逆らえず、10年ほど前に解体され、その跡地には高層ビルが建っています。広場の周囲の建物もほとんどが建て替えられて、かつての面影は全くありません。この地域には久しくご無沙汰していましたので、あまりの変わりように少し面食らいました。70年代が懐かしいですね。

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