パパと呼ばないで ロケ地の楽しみ(14) 堀切駅

以前、杉田かおるさんは毎日新聞のインタビューで、このドラマのロケ地となった東武線・堀切駅について、次のように語っていました。

― 7歳の時、初めてテレビでセリフのある役をもらいました。 石立鉄男さんと共演したドラマ「パパと呼ばないで」の「チー坊」です。その時、最初の撮影で連れて行かれたのが、東武伊勢崎線の堀切駅(足立区)でした ―

杉田さんが「最初の撮影」と言っていたのは、荒川の土手で石立鉄男さんといっしょに番宣用のスチール写真を撮ること。カメラマンの要求で、石立さんがブランコみたいに杉田さんの両手を持って振り回していたら、転んで唇を切って血が出てしまったというエピソードを披露していました。

右京が堀切駅前であんぱんと牛乳を買うシーンが『パパと呼ばないで』第1話のオープニング(下の写真)。「チー坊」役の杉田かおるさんはこのシーンには登場しないのですが、番宣用の写真撮影でこの場所に来ていたわけですね。

つい先日、現地へ行ってみました。



2021年3月27日、撮影。東武伊勢崎線・堀切駅前。

右京があんぱんと牛乳を買った「みゆき堂菓子店」は、その後、しばらくラーメン屋さんを営んでいましたが、既に廃業していました。左手に写っていた歩道橋は今も健在です。

下の写真は、右京が少年にあんぱんを半分あげるシーン。右京が座っていた堤防は当時のままですが、その前に柵が設置されて、登れないようになっていました。この映像は歩道橋の上から撮影したものです。



2021年3月27日、撮影。

杉田さんとの番宣用のスチール写真もこの時いっしょに撮影したものと思われます。その写真とは、これ。


下の写真は右京が堀切駅へ駆け込むシーンから。堀切駅の駅舎はその後建替えられましたが、当時の面影を残しています。



2021年3月27日、撮影。

右京が内田たちとの徹夜麻雀を終えて、朝、下宿先の「つり船・大槻屋」へ帰るシーン。このロケ地も堀切駅のすぐ近くです。 右京の背後に写っていた高架は京成本線のもので、今も健在。大槻屋さんは既に廃業していました。



2021年3月27日、撮影。足立区柳原1丁目37−8。

杉田さんはインタビューで、さらに次のようにも語っていました。 ― 『3年B組金八先生』のタイトルバックの撮影のために最初に連れて行かれたのも堀切駅でした。「あーここ、チー坊の時にも最初に来た」と思って。私の代表作となる二つの作品の最初のシーンが、偶然にも荒川の土手のふもとの堀切駅だったのです  ― 

『パパと呼ばないで』の初っ端のシーンの撮影に杉田かおるさんも現場にいたという事実は意外でしたが、この堀切駅が杉田さんの思い出深い場所だったいうのも興味深いですね。

この記事を読んでからは、私も堀切駅にも一度は足を運びたいと考えていました。荒川の土手、駅周辺の雰囲気、50年近く経っても、まだこの辺りは当時の面影が強く残っているのが肌で感じられました。グーグル・ストリートビューでは味わえない、リアルなロケ地訪問の楽しさは、こういった辺りにもあるのでしょうね。

コメント

  1. 楽しく記事を読ませていただきました。子供の頃に楽しく見ていたドラマですし、現在住んでいる地域から、わりと近いところなので、暑さが落ち着いたら、歩きに行って来ようかと思います。

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