若い川の流れ(6) 代々木上原

主人公、北岡みさ子(松原智恵子さん)の実家は小田急・代々木上原駅前の商店街にある洋装店。みさ子のお母さん、あき(加藤治子さん)が店を営んでいますが、何と、そのお母さんはいつも和服を着ているんですね。、和服姿でお客にブラウスやスカートを勧めるといった、今思えば何とも奇妙な光景ですが、当時は違和感なくドラマを観ていたように思います。

第1話より

あきは、みさ子達の父親が営んでいた洋装店を引き継ぎ、女手ひとつで切り盛りする母親。そんなドラマの設定も手伝ってか、はたまた、昭和43年は母親と言えば和服でかっぽう着のイメージが普通に残っていた時代だったこともあって、抵抗なく観ていたのかもしれません。

昭和と言えば、このドラマに写る代々木上原駅周辺の風景は昭和の香りが満載です。

小田急線沿線のこの界隈、ひと昔前はどの駅の周辺も狭い道の両側に、肉屋、魚屋、八百屋、豆腐屋などが集まる雑多な商店街があって昭和の風情がありました。残念ながら、小田急線の複々線化工事でどこもかしこも小じゃれた駅ビルが建てられ、当時の活気は商店街から消えてしまいました。

『雑居時代』や『気になる嫁さん』の成城学園前や、『ある日わたしは』の駒場東大前、そして、『若い川の流れ』の代々木上原、ドラマに写る映像は今や貴重な存在です。

→ 昭和の商店街の話はこちら「肉は肉屋さんで買っていた時代」。

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代々木上原駅界隈のロケ地を写真に収めましたのでご覧ください。この代々木上原駅周辺も高架工事でガラッと変わってしまいましたが、同ポジションで撮影すると、当時の面影が発見できました。こういうのがロケ地探訪の醍醐味なのかもしれませんね。(写真は全て、2017年1月29日撮影)

1. 第1話より。背後の代々木上原駅は建て替えられてしまいましたが、電柱は当時のものだと思われます。ドラマに写っていた和菓子屋・紅谷は「beniya」ビルになっています。


2. 第5話より。小田急線の高架工事により踏切は消滅。コンクリ坂道の丸溝は健在。右端に写っている街路灯は新しいものですが、位置は当時のまま。


3. 第7話より、線路脇のタール塗装の焦げ茶色の柵、当時はこんな柵がよく見られました。枕木や柵のタールと線路の鉄の匂いは昭和の踏切の匂いです。今では高架になり当時の面影はありません。


4. 第7話より。線路脇にある西原児童遊園地、今も健在です。街路灯も当時のもの。


5. 第7話より。西原児童遊園地前の道路。背後に見えるブロック塀は今も健在。


6. 第17話より。3人が歩いていたのは西原児童遊園地前の道路を東北沢方面に少し行った辺り。アスファルトの簡易舗装の道路が懐かしいですね。当時、この道の先は小田急線の踏切がありましたが、現在は高架になったため消滅。道の曲がり具合は変わりません。

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