雑居時代 ロケ地の楽しみ(14) 新宿、西口中央通り/代官山

ユニオン・石立ドラマの第1作目となる『おひかえあそばせ』が、最近またCSで放映されました。HDリマスター版とのことで、かなり画質は良くなっており、久しぶりにじっくりと観てみました。

今さらですが、このドラマのトップにクレジットされているのは、石立鉄男さんではなく大坂志郎さんでしたね。視聴者からすれば、どう見ても、石立さんがこのドラマの主演なのですが、この頃の石立さんは、大坂志郎さんと比べれば、まだ駆け出し。このクレジット順序はベテランの大坂志郎さんへの配慮からと考えるべきでしょう。ユニオン映画のスタッフは映画界で育ってきた方々ですから、クレジット順序には人一倍気を使うのかもしれませんね。

それに加え、各ドラマの第1話、1番目のシーンと登場人物に注目すると、面白いことに気づきます。

『おひかえあそばせ』、アパート、猪太郎(大坂志郎
『気になる嫁さん』、京王新宿駅、めぐみ(榊原るみ)と純(関口守)
『パパと呼ばないで』、堀切駅、右京(石立鉄男
『雑居時代』、登山用テント、十一(石立鉄男)と稲葉(川崎敬三)
『水もれ甲介』、水道工事現場、甲介(石立鉄男
『気まぐれ天使』、(回想後)、都営荒川線・早稲田駅、忍(石立鉄男
『気まぐれ本格派』、富津港、一寛(石立鉄男

ユニオン・石立ドラマの場合、第1話の第1番目のシーンに登場する人物は、必ず、クレジット順・トップの出演者なんですね。例えば、『おひかえあそばせ』では、最初に登場する人物は、石立鉄男さんではなく、大坂志郎さん、『気になる嫁さん』では「めぐみ」役の榊原るみさんです。そのドラマの顔となる主演を冒頭シーンに持って来るという、オーソドックスな構成をしているわけですが、これも、ユニオン映画・スタッフが出演者の格などに配慮したものかとも思われます。

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ロケ地の話に戻りましょう。『おひかえあそばせ』、『雑居時代』それぞれの第1話の最初のロケ・シーンのロケ地写真を撮りましたので、掲載いたします。

『おひかえあそばせ』、第1話。ロケ地は新宿西口中央通り。定年を迎え、最後の出社をする猪太郎が、現在の、みずほ銀行(当時は「第一銀行」)前あたりで、人にぶつかられてしまうシーンでした。『おひかえあそばせ』の冒頭部分は猪太郎を中心に池西家を描く構成となっています。このドラマは薫の話というよりも、あくまで、池西家のホームドラマというコンセプトでスタートしたのでしょう。

『おひかえあそばせ』、第1話(1971年)。
2014年12月29日、撮影。

余談ですが、ここは、十一が『雑居時代』第12話で、みかん娘のアルバイトをしているフーコとデコちゃんを発見した場所でもあります(1973年)。


『雑居時代』第1話、第1ロケは、十一がアパート「日の出荘」に帰るシーンでした。ロケ地は東急・東横線、代官山駅の東口。『雑居時代』の冒頭部分は、ずっと十一を描いている点は『おひかえあそばせ』とは、対照的ですね。『雑居時代』はホームドラマというよりも、石立鉄男さんを主演に据えたシチュエーションコメディーであることが、こういったことからもわかります。

2015年1月3日撮影。

道路や柵の傾きに当時の名残が感じられます。わざわざ、この風景を写真に収める人は『雑居』ファンぐらいでしょうね(笑)。

コメント

  1. はじめまして。雑居時代、再放送録画したのを、何度も見ています。ロケ地の情報、本当に嬉しいです!

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    1. Lee Candyさん、コメントありがとうございました。ロケ地情報、参考にして頂ければ幸いです。

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