おひかえあそばせ ロケ地の楽しみ (2)

第1話。猪太郎を会社まで車で送った梅子が、次に向かった先は勤務先の宝石店、大洋パール。猪太郎の定年退職の話で始まり、テンポよく、さくら(長女)、梅子(次女)、すみれ(三女)、菊枝(四女)のプロフィールが視聴者にわかるように、ストーリーが展開していきます。

ドラマの設定や状況を説明するような不自然なセリフを嫌う松木ひろし氏が、池西家メンバーそれぞれのプロフィールや、薫が自分の家に居候するという複雑な設定を、どのように自然な形で視聴者に伝えていくのか、脚本の構成を見てゆくのも楽しみ方の1つです。 

さて、下の写真は、梅子が大洋パールで接客しているところへ、さくらが現れる場面から。この大洋パールのロケ地はいったいどの辺りでしょうか。手がかりは、さくらの背後に写っていた赤と黄の庇、車の向き、そして、三井銀行の看板。


赤と黄の庇は、第2話の映像から新橋センター(現在のGINZA9という高速道路下のショピング街)のものだと特定できます。

GINZA9から銀座側に向かっている3本の道路は、どれも一方通行。ということは、さくらの背後に写っていた車の向きで、大洋パールがあった通りが絞れます。車がこの向きとなる通りは並木通りか今春通りです。

三井銀行はかなり昔に無くなってしまいましたが、現在、並木通りにある銀座グランドホテルは同じ三井グループの三井観光が経営していたもなので、三井銀行の跡地に建てられたものでしょう。

以上から、大洋パールは、並木通りをGINZA9へ向かった右手、銀座グランドホテルの向かい側にあったと考えられます。

先日撮った同ポジションの写真です。


銀座8丁目5−13辺り、2023年2月7日、撮影。 

残念ながら、大洋パールがあったビルは建て替えられてしまったようですが、店があった場所から見たこの風景の構図に当時の面影が感じられます。大洋パールはこの場所にあったと考えて間違いないでしょう。それにしても、50年以上も昔のドラマのロケ地を探すのも段々難しくなりますね。

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