おひかえあそばせ ロケ地の楽しみ (1)

「6人姉妹の家に、独身男が居候することに?! 今までになかったホームドラマ!」

ドラマ『おひかえあそばせ』が初めてテレビ放映された昭和46年4月、こんな宣伝がテレビによく流れていました。今では、このシリーズの『パパと呼ばないで』や『雑居時代』の影に隠れてしまった感がありますが、このドラマが登場したとき、それまでにない面白さと新鮮さを感じた記憶があります。

「今までになかったホームドラマ」とは、いったいどういう意味だったのか。当時は深く気にすることもありませんでしたが、このドラマの脚本、松木ひろし氏が雑誌のインタビューで語っていたことが、あらためて思い出されます。

松木氏「アメリカのパラマウントやユニバーサルの映画みたいなコメディーを作りたくて、それまでのパターン化されたホームドラマにはないシチュエーションを考えました」

このドラマが放映されていた日テレ系水曜日の8時台は、プロ野球・巨人戦の中継枠で、試合がない時のための穴埋め番組としては、高視聴率を取ることは強く求めらない、そこで、プロデューサーの小坂氏らは、以前から考えていたシチュエーション・コメディーなるものを実験的に行ってみた、という話も聞いたことがあります。

『おひかえあそばせ』は、当時の日本人にハリウッド風のシチュエーション・コメディーが受け入れられるかわからない部分もあったが、試しにやってみよう、ぐらいの感じで始められたわけです。

この実験の結果は好評で、間髪入れず『気になる嫁さん』をスタートさせ、その後のユニオン映画・石立ドラマの快進撃が始まったのは、ご存知の通りです。この『おひかえあそばせ』という実験ドラマの成功がなければ、『雑居時代』も生まれなかったわけですね。

さて、そんな石立ドラマの原点『おひかえあそばせ』のロケ地を今一度、巡ってみたいと思います。早速、第1話から。 

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下の写真は、定年を迎えた池西猪太郎(大坂志郎)が出社最終日の朝、娘たちに会社の前まで車で送られるシーンから。ロケ地は新宿駅西口ですね。先日撮った同ポジションの写真を掲載します。

猪太郎の左手にはスバルビルが写っていましたが、このビルは建て替えのため、2018年に取り壊されました。正面のビルは小田急百貨店。このビルも近々解体され、2029年には新たな高層ビルになるとのことです。この風景もいよいよ見納めですね。 



西新宿1丁目7−2、2023年1月22日、撮影。

会社に向かう猪太郎が歩行者とぶつかる場面。ロケ地は同じ場所。



西新宿1丁目7−2、2023年1月22日、撮影。

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