若い川の流れ(1)

CS・チャンネルNECOでドラマ『若い川の流れ』(1968)が始まりました。何と48年ぶりの放映とのこと。当時、私はこのドラマをリアルで観た記憶はありますが、出演者やストーリーまでは思い出せず、今回の放映を楽しみにしていました。

石坂洋次郎ドラマ『あいつと私』や『ある日わたしは』(1967)については、このブログで既に紹介しましたが、日テレ・日活制作の石坂洋次郎ドラマはまだ他にも多数あります。『雑居時代』の源流を探るという興味もありますが、どの作品も、今見ても面白い名作ぞろいです。是非とも、この『若い川の流れ』のみならず、他の作品もどんどん放映して欲しいものですね。

『若い川の流れ』第1話より。大坂志郎さんや加藤治子さんはこのドラマシリーズの常連ですね。

さて、この『若い川の流れ』については、現在のところ、ネットで検索できる情報はごくわずかです。それだけに何か新しい発見ができるかと興味深々で、毎週新鮮な感覚で細部まで楽しめそうです。早速、昨日放映されたばかりの第1話から、気づいたことを書き連ねてみたいと思います。

プロデューサー、吉川斌氏登場
『おひかえあそばせ』から『気まぐれ本格派』まで、ユニオン・石立ドラマの8作品のプロデューサー/企画を務めた日本テレビの吉川斌(あきら)氏。石立ドラマを後世に残る名作に仕立てた影の立役者と言ってもいいでしょう。石坂洋次郎ドラマシリーズの初期の頃は、吉川氏の名はクレジットに見かけませんでしたが、この『若い川の流れ』からプロデューサーとして吉川氏が登場しています。石立ドラマのルーツここにあり、といった感じですね。


選曲、鈴木清司氏登場
『雑居時代』といえば、大野雄二氏のBGM。そして、そのBGMをドラマの中で効果的に選曲(音楽演出)する鈴木清司氏の存在は大きいですね。鈴木氏の名もこの『若い川の流れ』から登場しています。

その他、編集マン・西村豊治氏の名もこのドラマから登場しています。西村氏はユニオン・石立ドラマほとんど全ての編集を担当しています。後にユニオン・石立ドラマのコア・スタッフとなる連中が制作したこの『若い川の流れ』、他にも『雑居時代』につながる発見があるかもしれませんね。もう少し回を追って探ってみたいと思います。

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『あいつと私』、西田家は東急東横線・田園調布駅近く、
『ある日わたしは』、城山ゆり子の下宿先は、京王井の頭線・駒場東大前駅近く。
さて、この『若い川の流れ』の北岡家は...


上の写真は主人公・北岡みさ子(松原智恵子さん)が帰宅するシーン。松原智恵子さんの背後には、代々木上原というサインが見えます。小田急線・代々木上原駅? でも、電車は紺とオレンジ色の見慣れないデザインですね。

実はこれが当時の小田急線の塗装色だったんです。『気になる嫁さん』や『雑居時代』でお馴染みのクリーム色にブルー帯のデザインが導入されたのが1969年。この『若い川の流れ』が撮影されたのが1968年。ちょうど、旧デザインの最後の年ということになります。ちょっとした貴重な映像です。

北岡みさ子の相手役、曽根健助(浜田光夫さん)が姉と住むアパートは、東急世田谷線の松原駅近く、赤松公園の隣。この公園、『ある日わたしは』のロケ地としても使用されていました。近い内にロケ地の探索もしてみたいと思います。

つづく

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