雑居時代 ロケ地の楽しみ(15) 広尾

『雑居時代』第6話、冬子(山口いづみさん)と秀子(浅野真弓さん)の下校シーン。

秀子 「フーコ...お説教された?お姉さんに」
冬子 「何を?」
秀子 「このあいだ、モデルやろーとしたことよ」
冬子 「それがさー、覚悟してたんだけど、全然何も言わないのよ。気味悪くって」
秀子 「もう一度、やってみよーかなー。あのプロダクションの人に売り込んでさ」
冬子 「ふっ...デコのは口ばっかしじゃない。いざ、裸になるっていうときになったら、ぶるっちゃって、真っ青」
秀子 「あの時はね、トイレ我慢してたのよ」
冬子 「うっそー」
秀子 「売り出しチャンスだったのにさー、この次はうまくやんなくっちゃ」



2015年1月3日、撮影。

「ぶるっちゃって」という言葉や、トラッド・ファッションが懐かしいですね。このロケ地は渋谷区広尾の東京女学館の正門。

先日、発売された『雑居時代』のブルーレイ版に付けられたインタビューで、山口いづみさんは、撮影当時のお話をされていました。心を打たれた方も多いのではないかと思います。

子役の杉田かおるちゃんを除くと、出演者の中で、一番年下だった山口いづみさんは、出演者のみなさんから、とても可愛がられたようです。ロケ地となった東京女学館といえば、お嬢様系名門女子校。偶然かもしれませんが、実は、山口いづみさんもこの学校出身です。「夏代さん」を大原麗子さんは素で演じている気がしますが、フーコも山口いづみさんの素に近いのではないかと思っています。

『雑居時代』というドラマからは独特な華やかさが感じられます。このドラマを観るたびに、この華やかさはどこから来るのだろう、なんていつも考えてしまいます。原色をあちこちに散りばめた映像、軽快な松木脚本、70年代デザインの衣装や調度品、などなど。でも、それらに加え、このドラマにひときわの華やかさを添えているのは、フーコの存在でしょう。

明るく、屈託の無いお嬢さまキャラのフーコ。『雑居時代』というドラマの華やかさは、山口いづみさん抜きでは考えられないと、あらためて思う次第です。

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同じく第6話で、夏代さんが表紙に写っている「週刊ドリーム」を二人が見つけたシーンは、広尾3丁目の交差点です。このタバコ屋さんの庇は残っていますが、もう営業していないようです。


2015年1月3日、撮影。

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