「杉田かおる」ちゃん

かおるちゃん.....

私の中で、彼女のイメージはいつまでも、『パパと呼ばないで』の「チー坊」で、この呼び方が一番シックリきます。

先日、フェイスブックで、「無事、48歳になりました!!」 と書いてた彼女。そんな大人の女性に対して、「かおるちゃん」はないだろう...とも思いますが、70年代を過ごしてきた多くの人達にとって、彼女は、永遠に『パパと呼ばないで』の「橋本千春」であり、『雑居時代』の「栗山阿万里」なんですね。

『3年B組金八先生』や『池中玄太80キロ』で、高校生の彼女が登場したときは、ある種の懐かしさを覚えました。例えるなら、親戚の女の子に、「しばらく見ぬ間に、大きくなったね...」 と云うような感じでしょうか。

『パパと呼ばないで』で、彼女を観た時の驚きは今でも忘れません。

「この子は誰だ!どうしたらこんな演技ができるのか?天性の素質なのか?」

石立鉄男さんとのやり取りもさることながら、大坂志郎さんや浦辺粂子さんなどのベテラン俳優陣とも互角に渡り合える演技力はまさに「天才」。いや、互角というよりも、大人達は、完全に彼女のペースに呑まれた感さえありましたね。

彼女はこのドラマで、彗星の如く現れたわけですが、いったい誰がどうやって、発掘したのでしょうか?
このドラマの脚本をメインで担当した松木ひろし氏が、かつて、『ザ・テレビジョン』、1983年5月20日号のコラムに、そのあたりの事を書いておられます。

以下、その要約。

「ドラマの構想はできたものの、さて、そんな作家の苛酷なイメージを実現できる子役がいるのだろか?無邪気で、オマセで、愁いが有って、時には大人に突っぱてみせ、時には不思議なお色気で周囲をドギマギさせる六歳の女の子、チー坊....。

半ばあきらめかけたとき、プロデューサーが一枚の写真を持って私を訪ねてきた。私はその写真を見た時、多少オーバーに云えば、体に震が来そうになった。

長い作家生活の中でも、役探しで、写真を見た瞬間、これっきゃない等と思ったことは、いまだにこれ一度きりである。それが私とチー坊(かおる)の出会いだった」

松木氏の作り上げた「チー坊」のイメージに奇跡的にピッタリ当てはまったのが、当時、ほぼ無名だった、杉田かおるちゃんだったんですね。

***

彼女は、ここしばらく、ごたごたが続いたようで、マスメディアでも彼女に対する好意的なコメントが少なかったのが、ちょっと悲しかった...

でも、ずーっと、彼女のブログやフェイスブックを拝見していますが、最近はとても心穏やかに、自信を持って自分の生き方を見つけたように見受けられます。

「まあ、誰がなんと言おうと、かまわない。かおるちゃん、いつまでも、応援していますよ!」

「チー坊」や「マリー」を観てきた多くの人達や、彼女をこの世に送り出した、松木ひろし氏は、みんなそんな気持ちではないでしょうか?

補足
角川書店刊、『ザ・テレビジョン』、1983年5月20日号、コラム『もうひとりの私』。世田谷区・八幡山、「大宅壮一文庫」でコピーを入手しました。


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