あいつと私 ロケ地の楽しみ(3)

CS・チャンネルNECOでの『雑居時代』の放映も、はや、第13話。今まで数えきれないほど観てきましたが、この放映に合わせて毎週ていねいに視聴していると、新たな発見があるから不思議です。『雑居』は奥が深いとつくづく思う次第です。

『雑居時代』のロケ地ついては、ファンの方々がほぼ全て探し当てておられますが、未だに不明なのが、この第13話に登場する公園です。マリーの出生の秘密を共有することとなった夏代さんと十一が立ち寄った、「野球禁止」という立て札がある、あの公園です。
 
左端のマンションの上部に取り付けられた看板が手掛かりになりそうですが、ちょっと読めません。そして、このシーンには「ゴーン、ゴーン」という教会の鐘の音が聞こえます。これは手掛かりになるなと、一瞬喜びましたが、この鐘の音は後から入れたものだとわかりました。ロングやアップのカットをつないでシーンを作っているにもかかわらず、鐘の音はつながっているので、「選曲」鈴木清司氏が後から入れた効果音だと考えるのが自然です。

ファンの中には再開発される前の六本木・檜町公園(ミッドタウン)ではないかと指摘された方もいますが確証がありません。この公園シーンのロケ地で何か心当たりがありましたら、ご一報いただければ幸いです。

『雑居時代』第13話から

さて、前回に引き続き『雑居時代』のルーツ、『あいつと私』のロケ地を紹介したいと思います。

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下の写真は第4話から。 西田圭子(松原智恵子さん)が歩いていたのは、東急世田谷線・松原駅の踏切。同ポジションの写真をその下に掲載します。この松原駅近辺は、同じく石坂洋次郎ドラマ『ある日わたしは』や『若い川の流れ』でも、たびたびロケ地に使われていました。ちょうどこの踏切の向こうからこちらを見た風景はこちら
 →若い川の流れ(7)

木造の駅舎、右側に見える雑多な商店街、昭和の香りが伝わってきます。松原智恵子さんの右後ろに写っているオート三輪、この頃はまだ普通にあちこち走っていました。


2016年1月24日、撮影

下の写真も同じく第4話、黒田三郎(川口恒さん)が車で登校するシーンから。三郎や圭子が通う恵稜大学のロケ地となったのは、世田谷・桜上水にある日大・文理学部。最寄り駅は下高井戸(東急世田谷線および京王線)。最初の写真の松原駅は世田谷線の隣駅です。やはり、ロケ地はまとまっている場合が多いです。ロケ地を探す際の強力なヒントになります。左端に写っていた側溝は暗渠化されています。右側の垣根は変わっていないようです。


2016年2月7日、撮影


2016年2月7日、撮影

下の写真は第12話、圭子(松原智恵子さん)が一夫(川地民夫さん)に強引に車に乗せられるシーンから。ロケ地は京王線・上北沢駅南側の住宅街。先日撮影した同ポジションの写真を掲載します。かつてこの辺りは、瀟洒な邸宅が立ち並ぶ高級住宅街でした。ちょうどこのドラマが撮影された頃は、野球の長嶋茂雄さんのお宅もこの近くにあったはず。最近は住民の高齢化や相続問題などでマンションに立替えられたりして、昔の風格を失ってしまいました。

背後に写っているのは京王線。この上北沢駅辺りも複々線化・高架工事がじきに開始され、駅ビルができるとのことです。またひとつ昭和の風景が消えていきますね。


2017年4月29日、撮影

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